内職と在宅ワークは、自宅で作業ができる仕事という点では同じです。しかし両者には明確な違いが存在することをご存知ですか。今回は、内職と在宅ワークの違いについてご説明します。

基本的な特徴

内職とは?

内職は「家内労働」とも呼ばれ、厚生労働省では以下のように説明されています。

家内労働者とは、通常、自宅を作業場として、メーカーや問屋などの委託者から、部品や原材料の提供を受けて、一人または同居の親族とともに、物品の製造や加工などを行い、その労働に対して工賃を受け取る人をいいます。

引用:厚生労働省

つまり業者からの材料提供を受け、自宅を作業場として製造を行う働き方が内職です。「家内労働」という言葉が指すように、扱いとしては企業の元で働く労働者となります。

在宅ワークとは?

厚生労働省の在宅就業者総合支援事業「自営型テレワーク(在宅ワーク)の適正な実施のためのガイドライン」によると、在宅ワークは以下のように定義されています。

注文者から委託を受け、情報通信機器を活用して主として自宅又は自宅に準じた自ら選択した場所において、成果物の作成又は役務の提供を行う就労

引用:HOME WORKERS WEB

インターネットを利用して個人や企業から業務を受託し在宅で作業を行い、その成果物と引き換えに報酬を受け取る働き方が在宅ワークです。請負契約の形になりますので立場としては個人事業主となります。

法律面での違い

法律によって保護されている内職者

内職は、家内労働法という法律によって給与の支払時期、労働環境基準などが定められています。また、地域別・業務別に最低工賃が設定されており、委託する業者は最低工賃以上の工賃を保証しなければなりません。内職者は労働者の扱いなので法律でしっかりと保護する必要があるのです。

自己責任の在宅ワーク

在宅ワーカーは個人事業主ですので、内職者のように法律に基づく賃金保証などはありません。民法に基づく自由契約によってクライアントと取引を行い、支払い請求などの雑務も自身で行う必要があるのです。